今日は、私が卒業したNYの統合栄養学校Institute for Integrative Nutritionの卒業生Alexa Paolellaが書いたコラムをご紹介したいと思います。
彼女はアメリカ在住、コラムの内容もアメリカの現状を伝えているのですが、読み進めていくと、日本でも同様に起こっているというのがわかりますし、私の周りにもちらほら見受けられます。
というか、私もこの傾向があるので人ごとではないなという感じです。
トピックは「オルトレキシア」
不健康だと考える食品を避けることで生じる極端もしくは過度な先入観によって引き起こされる摂食障害や精神障害として提唱されています(Wikipediaより引用)
食品の原材料ラベルは必ずチェックする
ジャンクフードを食べると罪悪感を感じる
ある一定の食品群は食べない
こんなことに思い当たるフシがあるなら、是非このまま読み進めてくださいね!
ウェルネス産業の台頭
健康とウェルネス分野の産業は活況を呈しています。
この分野は、2015年から2017年の間に12%成長し、赤外線スパ、ケトダイエット、CBD、ウェルネスリトリート、仮想フィットネスアプリなどがトレンドになっているおかげで、減速する兆候は全く見られません。
実際、グローバルウェルネスインスティテュートによれば、ウェルネス産業は現在、4.2兆ドルを超える価値があり、世界経済で最大の産業の1つになっています。
多くの若者や大人がセルフケアに時間とエネルギーを費やしているということは、嬉しいニュースです。
食事と運動の両方が、糖尿病や心臓病などの肥満に関連するリスクを下げるのに役立チマすし、また、健康的なライフスタイルは、自分だけではなく、愛する人や子供たち、ひいては地球にとっても良いことです。
ネット社会がもたらすアクセシビリティによって、多様な方法や場所で健康に関するアドバイスを得ることができますし、グルテンフリー、乳製品フリー、ビーガン、オーガニックといった今までだと特別な食料品店でしか扱っていなかった食材も、手に入れやすくなっているのではないでしょうか。
しかし、ウェルネス業界の急速な成長にはマイナス面があります。
特に、SNSなどの主流メディアによって強調される「理想」に関しては、気をつけなければいけません。
「きれいな食事」やフィットネス養生法のようなものが有名人やインフルエンサーによって強く支持されるようになると、多くの人が注意を向けるようになります。
平均的な若者は、1日7時間以上画面を見て過ごしていることもあり、健康的なライフスタイルをより魅力的にした写真や広告が溢れています。
私たちにとって「良い」ことばかりに焦点を合わせることで、新しい形の乱れた摂食障害〜オルトレキシア〜-が出現しました。
オルトレキシアって何?
National Eating Disorders Associationによると、オルトレキシアは、「健康的な」食事に執着することを特徴とする食事の仕方の一つです。
食べる量に焦点を当てているほとんどの摂食障害とは異なり、オルトレキシアは食べ物の質に執着しています。
多くの場合、安心安全で「きれいな」ものを食べたいという欲求から始まりますが、その後、よりその欲求は強まってストイックに食事を管理するようになります。
オルトレキシアの人は食べるものに非常に執着しているため、例えば友人たちからの外食の誘いを断ったりなど、食生活が乱れるような社交から遠ざかるようになることも・・・。
オルトレキシアの兆候は以下のとおりです。
食品ラベルまたは成分リストのチェックを欠かさない
一定の食品グループを排除する
特定の食品を食べることに不安を感じる
食事の内容、パターンに柔軟性がなくなる
ストイックな食習慣から外れたときに不安、ストレス、恥、または罪悪感を感じる
体重が落ちる(場合によって)
また、オルトレキシアはソーシャルメディアとの関係性があるという見方もあり、実際に2017年の調査では、Instagramを頻繁に使用した人は、オルソレキシアの症状を示す可能性が高くなりました。
Instagramでハッシュタグ#healthy(1億4900万の投稿)、#eatclean(5880万の投稿)、#cleaneating(4560万の投稿)がついた投稿がされている事実は、この研究があまり大げさではないことを伝えています。
SNSという新しいカルチャーを背景に、私たちは健康的な食事に夢中になり、健康的なライフスタイルを広く伝えるようになったようです。
しかし、オルトレキシアは正式な疾患だとはされていないため統計がなく、何人の人が影響を受けているのか、これが一つの摂食障害なのか、神経性食欲不振に由来するのかについての研究はあまりありません。
ですが、過去10年間をみると、接触障害と診断された人々の数は2倍以上になっていて、これがこの疾患に関する答えにつながっているのかもしれません。
オルトレキシアとイモーショナルイーティング(感情的な食事)
オルトレキシアも含めて、食欲不振、過食症、拒食症、感情的に摂食するといった摂食障害は、その人と食物との関係性が築けていないことが特徴です。
体に必要なものを与えたり、必要なものを体に聞いたりする代わりに、感情に振り回されてしまいます。
オルトレキシアはきれいな食事に執着していることはわかっていますが、その裏に潜むポジティブな感情とネガティブな感情の両方との密接な関係があるということを無視することはできません。
イモーショナルイーティングと呼ばれる感情的な食事の仕方は、感情と食べ物がワンセットになっています。
たとえば、果物や野菜を「良い」とラベル付けする一方で、ピザやアイスクリームは「悪い」とラベル付けします。
果物や野菜を食べると気分が良くなり、ピザやアイスクリームを食べると罪悪感や恥、怒りといった感情を呼び起こすことがあります。
同様に、オル トレキシアの人はきれいなものを食べることに固執しているため、その食習慣から逸脱するとストレスや不安が生じる可能性があります。
「きれいな食べ物を食べること」に執着するあまり、社交の場や旅行などに大きな影響を与える可能性があります。
ただし、オルトレキシアとは異なり、イモーショナルイーティングの人の兆候には感情をコントロールするために食べ物が使われます。
気持ちを落ち着けたり、心の隙間を埋めるため
ストレスがかかったり疲れたりしたときに快適さを感じるため
ある種の感覚や感情を感じなくするため
ある種の感覚や感情を感じたりコントロールするための方法として
私たちは皆、時々感情的に食べるので、心配する必要はありません。
ただし、感じている全ての感情に対応したり対処したりする方法として食べ物を使用すると、全体的な生活の質が大幅に低下する可能性があります。
オルトレキシアに苦しむ人々にとっても同様で、多くの人はシンプルな理由からクリーンな食材、きれいな食べ物を食べ始めるかもしれません。
私たちは、自分たちが食べる物が、どこでどのように作られたのか知りたいですし、また自分自身と家族のために最高のオーガニック食材や地元産の食材を揃えたいでしょう。
ですが、すべてバランスを取ることが大切で、食習慣や食材の選択自体に私たち自身をコントロールさせてしまってはなりません。
健康的なライフスタイルを送ることと、その健康的なライフスタイルによって不健康な習慣を作り出すことには、大きな違いがあるのです。
食事を超えた栄養補給とは?
NYの統合栄養学校Institute for Integrative Nutritionでは、スピリチュアリティ、キャリア、身体活動、人間関係といったプライマリーフード という考え方を提唱しています。
これは、あなたが食べるものと同じくらいあなたの心と体の健康にとって重要です。
人生におけるプライマリーフード の領域を改善する方法を見つけることによって、食べ物だけにフォーカスすることがなくなるでしょう。
食べものでは得られない栄養補給の方法を、いくつかご紹介します。
体を動かす
エクササイズ初心者でも、定期的にジムに通う人でも、日常生活に運動を加えることは、健康的な習慣を促進するのに最適な方法です。
あなたの体型や身体イメージに対する恥と嫌悪感が摂食障害を引き起こす可能性があるため、運動はこれらの否定的な感情を減らしてくれるのに役立ちます。
1日中、何かしら体を動かしているという場合、食べるものを厳しく制限するといったことはしないのではないでしょうか。
結局のところ、運動はあなたの気分を良くしてくれて、消化機能をアップし、適切な体重を維持するのに役立っているのです!
目標としては、週に5日、1日30分間の運動を取り入れることです。
友人を誘って散歩に出かけたり、ジムで新しいレッスンに参加したり、家の中でできる運動を取り入れてもいいので、エクササイズを行ってみてください!
マインドフルネスの実践
毎日のストレス要因を解消する方法として、健康的ではない食習慣やジャンクフードなどの栄養価の低い食べ物が利用されることがあります。
現代人は、日々、終わりのないTo Doリストを抱えて絶えず多くのストレスを感じ、行き詰まっています。
マインドフルネスを実践することは、身体と心のバランス、そして落ち着きを取り戻せる鍵となります。
「立ち止まってバラの香りを嗅ぎなさい」という言葉を聞いたことがありますか?
マインドフルネスとは、意識を「今ここ」に向けてその瞬間に存在することです。
マインドフルネスを簡単に実践できる方法を、いくつかご紹介します。
散歩に出かけて自然とつながる
お風呂にエッセンシャルオイルを入れ入浴する
毎日、自分の好きなところを一つ、日記に書いてみる
静かで快適な場所で本を読む
例えばガーデニングのような、新しい趣味を試してみる
スパでマッサージやフェイシャルを受け、リラックスした時間を過ごす
罪悪感を感じることなく午後の昼寝をしてみる
目を瞑り自分の呼吸音に意識を合わせてみる
1日を感謝の気持ちで始めて感謝の気持ちで終わらせる
毎日の瞑想は、ストレスと不安を軽減しながら、エネルギーと生産性を高める有益な方法です。 1日わずか10分でも、心と身体の健康に全体的に良い影響を与えることができます。
朝の瞑想で、あなたが持っている否定的な考えを手放し、1日を通してより「今ここ」で過ごせるようにすることをお勧めします。
最初は、いろいろな気持ちや考えが浮かんできて、心を静めることは難しいかもしれませんが、継続することで、自然と頭の中の要らなくなった思いを手放せるようになります。
ネット環境をオフにする
私たちは、Instagramをスクロールしたり、インターネットサーフィンすることによって、他の人が何をしているか、何を食べているか、どんな暮らしをしているか、知ることができるようになりました。
その事によってあなたがもし、自分と他の人を比べて落ち込んだりネガティブな感情を持つのであれば、そんな時間は減らして、好きなことをする時間を増やすことを選択しましょう!
通勤時間中や、ベッドに入る少なくとも1時間前には全てのデバイスをオフにすることを習慣にしてください。または、朝起きてすぐに携帯電話に手を伸ばさないようにしましょう。ネット環境と繋がっていた時間を、友人とコーヒーを飲んだり、運動する時間に当ててみましょう。デバイスを介さずに自分や他の人とつながる方法を見つけるのです。
サポートを求める
摂食障害は、年齢、人種、性別にかかわらず全ての人に影響を与えます。
役に立たない食習慣を改善していくことは、決して恥ずかしいことではありません。
あなたと食べ物の間が不健康な関係が築かれて、自分では改善できないと思うなら、専門家の助けを求めること、そしてあなたをサポートしてくれる友人、家族、愛する人に囲まれることが大切です。
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